研究課題/領域番号 |
18320046
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
大谷 節子 神戸女子大学, 文学部, 教授 (90211797)
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研究分担者 |
西田 実継 神戸女子大学, 教授 (60164563)
高妻 洋成 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 主任研究員 (80234699)
宮本 圭造 大阪学院大学, 助教授 (70360253)
梶木 良夫 神戸女子大学, 助教授 (30299078)
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キーワード | 能面 / 狂言面 / 伊勢猿楽 / 翁舞 / 一透斎 / 宮野 / 河内 / 佐渡 |
研究概要 |
18年度は、林原美術館(岡山市)、国立能楽堂(東京都)、香川県歴史博物館、菅浦須賀神社郷土史料館(滋賀県)、甲津原神社(滋賀県)、三重県伊勢市通町公民館、三重県伊勢市一色町公民館、賀多神社(三重県鳥羽市)、大歳神社(兵庫県神戸市須磨区)、新穂歴史民俗資料館(新潟県佐渡市)、正法寺(新潟県佐渡市)、牛尾神社(新潟県佐渡市)、大聖院(新潟県佐渡市)、能楽資料館(新潟県佐渡市)、ザンクトガレン民族博物館(スイス・ザンクトガレン)、リートベルク美術館(スイス・チューリヒ)、リンデン州立民族学博物館(ドイツ)、ウィーン民族博物館(オーストリア)の計18箇所の能・狂言面調査を行うことができた。 林原美術館蔵能・狂言面は岡山池田家旧蔵、香川県歴史博物館所蔵面は高松松平家伝来の旧大名家所蔵面である。また、三重県伊勢市通町公民館と同じく一色町公民館所蔵面は、各々伊勢猿楽勝田と和谷の旧蔵面であるが、野村美術館所蔵の勝田大夫旧蔵の面と一対で使われていたと考えられる翁面と黒色尉が確認され、勝田居貞手沢書入本の『仮面譜』を含む文書や、勝田家代々の墓碑銘調査も併せて行うことができた。神戸市の大歳神社は、古態の翁舞を伝承していることで著名な神社であるが、この神社の所蔵面調査の中で、従来知られていなかった古面数点の存在が確認された。さらに、佐渡の諸寺の調査では、従来、『仮面譜』等の記述により赤霞と同一視されていた一透斎について、一時期佐渡在住であった、極めて個性的な別の面打ちであることが確信され、一透斎についての貴重なデータを収集することができた。 また、18年度は、初めて海外に流出した能・狂言面の調査を試みた。海外調査については調査機器の制約もあり、まだ手探りの段階であるが、国内ではこれまで実際の作品の存在は確認されていなかった宮野作の面(怪士)が確認され、一透斎作の刻印を有する一透斎真作と思われる女面など、貴重な面のデータを収集することができた。
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