研究課題/領域番号 |
18320046
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
大谷 節子 神戸女子大学, 文学部, 教授 (90211797)
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研究分担者 |
西田 実継 神戸女子大学, 文学部, 教授 (60164563)
宮本 圭造 法政大学, 能楽研究所, 准教授 (70360253)
梶木 良夫 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (30299078)
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キーワード | 能面 / 狂言面 / 非破壊調査 / 蛍光X線元素分析 / 実体顕微鏡観察 / 赤外線リフレクトグラフィ / the British Museum / Pitt Rivers Museum |
研究概要 |
今年度は、国内では嵯峨芸術大学博物館寄託清涼寺所蔵面、梅若家所蔵面、林喜右衛門家所蔵面、押領司家所蔵面、海外では、イギリスのPitt Rivers Museum、Victoria & Albert Museum、the British Museumでの計159点の面調査を行った。 今回、2006~2009年度の科研と、それ以前の調査面を合わせると、1845点の面のデータが集積されたこととなる。これに、既に図録などで紹介されている面をスキャナーで取り込み、加える作業を続行中であるが、2006~2009年度の科研で集積されたデータに関しては、データベースの作成が完了し、面の名称、墨書銘、焼印などの文字情報からの検索が可能な形となった。面の異称などによる検索方法の改良は今後も必要であるが、能面データベースの雛形を作ることができた意義は大きい。これに、今回の科研以前の集積データと、図録からのデータを合わせていくことによって、2000点を超える面の検索が可能となる。なお、the British Museum(大英博物館)の調査結果は、同博物館HPにおいて公開の協力要請があり、調査資料を提供した。海外に所蔵されている面の中にも、貴重な面は少なくなく、今後も国際協力の必要性を感じている。 面調査に加え、東京文化財研究所が所蔵する二千冊を越える売り立て目録の全冊を調査し、能面に関する目録の抽出、コピー複写を行なった。その結果、従来知られているものの他にも、子爵堀田家、若州小浜藩酒井家、九条家所蔵面の売り立て目録など、数多くの有用な資料を収集することができた。分量が膨大であるため、今年度は資料整理に着手することは出来なかったが、今後、複写した目録のデータ化、現存の能面との照合などにより、能面史研究への活用をはかりたい。
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