研究課題
平成20年度は、当初の研究計画に基づき、かつ初年度および第二年度の研究成果を踏まえつつ、問題点の更なる展開を目指して、これまでと同様に研究分担者・協力者全員が参加するかたちで、二度の研究会を開いた。研究会においては、主として、(1)総論的考察の深化を図る研究報告(「否定性」の概念を、神学的/哲学的/美学的領域それぞれにおける問題史的観点から、できるだけ文学との関連性へと収斂させつつ検討するもの)、(2)予備研究を含むこれまでの研究成果の更なる発展的継承を図る各論的研究報告(ドイツ文学・思想における「否定性」の働きを通時的視点から捉えるもの)、(3)理論的考察を叙述へともたらす研究報告(上記(1)、(2)で捉えられた〈文学における「否定性」の問題〉を「我々の問題」として構築・叙述する枠組みについて考察するもの)を行い、議論を重ねた。(第五回研究会:9月13日-15日、研究報告7本と特別講演〔昨年度に引き続き、柴田翔氏による「ゲーテ文学における〈否定性〉と〈肯定性〉」についての講演〕;第六回研究会:2月21日-23日、研究報告8本〔うち3本はドイツ/オーストリア人研究者による〕;研究会はいずれも九州大学大学院人文科学研究院において開催。)なお、本科研究費により、上述の研究会をもつことができたのみならず、本研究のより効果的な進展に不可欠である機器/設備、およびさまざまな書籍/視聴覚資料etc.をかなりの程度に充実させることができた。(現時点での研究上の反省点:「否定性」と「否定」の概念的な区別がまだ甘いこと、および、「否定性」の捉え方が各研究者によって微妙に異なること〔あえて二元化するのではなく、この多様性を生産的な方向へ展開できないか〕。)
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (7件) 図書 (4件)
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