研究概要 |
本研究課題では、平成18年度は三神弘子(国際教養学術院教授・研究者番号20181860)が研究代表者を務めたが、平成19年度は三神が特別研究期間のため、研究分担者であった岡室美奈子(上記)が代表者を引き継いだ。 本研究課題は、アイルランド演劇(特に現代)の総合的研究を推進し、アイルランド演劇研究関連資料を充実させることにより、日本における研究拠点を形成・確立することを目指し、主として以下の三点を推進した。 1.アイルランド演劇の総合的研究:三神はT・マーフィー、F・マクギネスらを、岡室はS・ベケット、W・B・イェイツらを中心に研究を行った。とりわけ、科学研究費補助金基盤研究B(15320040)(平成15〜17年)による研究を発展的に継承し、アイルランド演劇研究の第一人者であるDeclan Kiberd,Anthony Roche,Christopher Murrayらとアイルランド演劇論集Ireland on Stage:Beckett and After(Carysfort Press,2007)を編集し、ダブリンで刊行したことにより、海外での研究を受容するだけではなく、成果を海外に広く発信することができたことは大きな成果である。 2.アーカイブズの構築とデータベース化:上記ベケット、マクギネス関連の資料の電子化およびデータベース化を推進し、一層の充実を図った。 3.国際サミュエル・ベケットシンポジウム東京2006の開催と論集の編集:平成18年9月29日〜10月1日、早稲田大学において、早稲田大学21世紀COE演劇研究センターと日本サミュエル・ベケット研究会が主催した本格的な国際シンポジウムの開催、運営に全面協力し日本におけるベケット研究の水準向上と海外研究者との交流に大きく貢献した。2008年度にオランダで刊行される成果論集編集でも中心的役割を担った。
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