研究課題/領域番号 |
18320057
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 大志 広島大学, 大学院・ 教育学研究科, 准教授 (90309625)
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研究分担者 |
釜谷 武志 神戸大学, 文学部, 教授 (30152838)
佐竹 保子 東北大学, 文学研究科, 教授 (20170714)
大形 徹 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (60152063)
川合 安 東北大学, 文学研究科, 教授 (30195036)
柳川 順子 県立広島大学, 人間文化学部, 准教授 (60210291)
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キーワード | 楽府 / 『隋書』音楽志 / 南北朝 / 制度 / 雅楽 |
研究概要 |
本研究では、文学・歴史・思想・音楽などの各領域の研究者が協力分担し、幅広い領域の知見を結集することによって、南北朝期の楽府と楽府詩の問題を、多角的な視点から解明することを企図する。その具体的な検討課題として、本研究では『隋書』音楽志の詳細な分析と訳注の作成を重点的に行い、その分析と検討を踏まえた上で、研究分担者がそれぞれ六朝から唐にかけての楽府関係資料の収集、楽府詩の創作面・表現面からの研究、楽府の思想的背景の研究、楽府の音楽的側面の研究などを進めている。 本年度は、『隋書』音楽志(上)及び(中)の本文校訂と訳注作成を中心に、まず南朝の陳王朝に於ける宮廷音楽の実態を分析し、前年度の成果を踏まえて、南朝側の宮廷音楽の沿革を解明した。また本年度は、新たに北魏から北斉・北周に至る北朝側の宮廷音楽の沿革とその実態を解明すべく、分析と検討を重ねた。その結果、北魏から北斉・北周までの間、北朝の宮廷音楽が、『周礼』の記述に依拠して制度を整え、そこに西域系の楽曲と旧来の雅楽を織りまぜつつ、次第に整備されてゆく過程を明らかにすることができた。この北朝の宮廷音楽と南朝の宮廷音楽が、どのように統合されて、隋唐王朝の宮廷音楽を形成してゆくのかということを、今後継続して明らかにしていく予定である。なお、『隋書』音楽志の本文校訂と訳注の検討結果は、「『隋書』音楽志訳注稿(二)」と題して、学術雑誌『中国学研究論集』に掲載し、その成果を公表する。
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