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2006 年度 実績報告書

東アジア圏の歌垣と歌掛けの基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18320058
研究機関国学院大学

研究代表者

辰巳 正明  国学院大学, 文学部, 教授 (70054856)

研究分担者 青木 周平  国学院大学, 文学部, 教授 (50146734)
小川 直之  国学院大学, 文学部, 教授 (30265954)
花部 英雄  国学院大学, 文学部, 助教授 (40383989)
田畑 千秋  大分大学, 糖福祉科学部, 教授 (60264321)
廣田 律子  神奈川大学, 経営学部, 教授 (70260990)
キーワード比較文学 / 国文学 / 民俗学 / 歌垣 / 歌掛け / 国際研究者交流 / 中国
研究概要

本研究は、東アジア圏において集団的に対面して歌唱がおこなわれる際のシステムを明らかにすることを目的とする。そのために、本年度は、秋田・奄美・中国貴州省における歌唱文化の調査をおこなった。
1 秋田金澤八幡宮伝統掛唄調査(平成18年9月14日〜15日、秋田県横手市)では、午後9時30分頃から翌日午前3時過ぎまでに28組延べ56人が1対1で歌の掛け合いをおこない、優劣を競う模様を調査した。「仙北荷方節」の節回しに載せてその時々の関心事が歌われ、相手の歌詞にどのようにうまく対応し、切り返すかが判定の基準となるものであり、その即興性の高さが明らかとなった。
2 奄美八月踊り歌掛け調査(平成18年9月29日〜10月4日、鹿児島県奄美市笠利町)では、集落の家々を巡りながら踊られる八月踊り(シバサシ)の歌に関する調査をおこなった。この調査では、八月踊りにおいて歌われる曲目がどのような流れで歌い継がれているかを記録することができた。また、調査期間中に八月踊りに関する研究会を実施した。そこでは9月30日に歌われた「かんでく」を中心に議論がおこなわれた。「かんでく」は現在伝承されている34首の一連の歌が基本となっているが、元来、1曲全体が「縁のながれ」と呼ばれ、各首の下の句を契機に、様々なテーマへと展開するシステムを有していることが明らかとなった。
3 中国少数民族歌掛け調査(平成18年12月26日〜平成19年1月5日、中国貴州省黎平県岩洞村)では、中国少数民族である桐族の歌唱文化についての調査をおこなった。「鼓楼」と呼ばれる公共施設において男女の集団でおこなわれる「鼓楼対歌」12曲を収録し、そのうち9曲の曲名・歌詞を記録した。また、民家に青年男女が集い、1対1の歌掛けをおこなう「行歌坐夜」51曲を収録し、その全ての歌詞を確認した。
以上、本研究における初年度の調査課題を達成することができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 吉野-『万葉集』の異空間-2006

    • 著者名/発表者名
      辰巳 正明
    • 雑誌名

      国文学 解釈と鑑賞 71巻5号

      ページ: 23-29

  • [雑誌論文] 国学における和歌論と明清詩学2006

    • 著者名/発表者名
      辰巳 正明
    • 雑誌名

      國学院雑誌 国学特集 107巻11号

      ページ: 111

  • [雑誌論文] 記紀の主題と歌-シビ(志毘・鮪) 歌群を中心に-2006

    • 著者名/発表者名
      青木 周平
    • 雑誌名

      国語と国文学 83巻4号

      ページ: 113

  • [雑誌論文] 歌掛けの民族誌 短歌成立史における民間歌謡の位置2006

    • 著者名/発表者名
      辰巳 正明
    • 雑誌名

      和歌をひらく 第4巻

      ページ: 79-95

  • [雑誌論文] 呪術と呪歌の論理2006

    • 著者名/発表者名
      花部 英雄
    • 雑誌名

      和歌をひらく 第4巻

      ページ: 1-22

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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