研究課題/領域番号 |
18320058
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研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
辰巳 正明 国学院大学, 文学部, 教授 (70054856)
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研究分担者 |
青木 周平 国学院大学, 文学部, 教授 (50146734)
小川 直之 国学院大学, 文学部, 教授 (30265954)
花部 英雄 国学院大学, 文学部, 准教授 (40383989)
田畑 千秋 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (60264321)
廣田 律子 神奈川大学, 経営学部, 教授 (70260990)
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キーワード | 比較文学 / 国文学 / 民俗学 / 歌垣 / 歌掛け / 国際研究者交流 / 中国 |
研究概要 |
本研究の目的は、東アジア圏において集団的に対面して歌唱する折に一定のシステムが存在することを明らかにし、そこから歌の形成過程を解き明かすことにある。本年度は、平成18年度に実施した歌掛け調査の報告会を実施し、各地域の歌掛けにおける歌唱システムのあり方を確認した。また調査報告の総括として、国際シンポジウム「東アジア歌垣サミット」を開催した。1 秋田金澤八幡宮伝統掛唄調査報告会平成19年5月26日於国学院大学若木タワー0502教室報告者城崎陽子・舟木勇治(研究支援者)金澤八幡宮大祭において奉納される伝統歌詞と、掛唄大会において唄われる即興歌詞との関係を中心に報告を行った。伝統歌詞は、祭と掛け唄の開催を祝うことが表現の中心となる。一方掛け合いでは、時事問題などを盛り込んだ即興歌詞が唄い交わされるが、このときにも伝統歌詞が、唄い詰まりの回避や表現展開の契機として機能していることを確認した。2 奄美調査報告会平成19年8月4日於国学院大学若木タワー0502教室報告者田畑千秋・舟木勇治奄美八月踊りで唄われる八月唄の中でも「かんでく」を中心とした報告を行った。平成18年度調査において採集した歌詞を翻訳整理して映像と共に資料化し、歌ができあがる下の句によって「あぶしながれ」や「ほこらしゃなかれ」等、歌の流れが展開してゆくことを確認した。3 「東アジア歌垣サミット」平成19年12月8日・9日国学院大学120周年記念2号館2104教室本シンポジウムでは、中国貴州省トン族の歌掛けに関する講演と歌掛けの実演・解説を、現地の研究者・歌師を招き実施した。また、秋田・奄美の歌掛けの実演と解説を行い、各地域の歌掛けの実演者と研究分担者とで討論会を行った。 以上本年度は、本研究の総括となる平成20年度に向けて、これまでの調査結果の整理と分析を進め、その一部を公開することができた。
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