研究課題/領域番号 |
18320058
|
研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
辰巳 正明 國學院大學, 文学部, 教授 (70054856)
|
研究分担者 |
青木 周平 國學院大學, 文学部, 教授 (50146734)
小川 直之 國學院大學, 文学部, 教授 (30265954)
花部 英雄 國學院大學, 文学部, 准教授 (40383989)
城崎 陽子 國學院大學, 文学部, 講師 (20384000)
|
キーワード | 比較文学 / 国文学 / 民俗学 / 歌垣 / 歌掛け / 万葉集 / 国際研究者交流 / 中国 |
研究概要 |
本研究の目的は、東アジア圏において集団的に歌唱する折に一定のシステムが存在することを明らかにし、そこから歌の形成過程を解き明かすことにある。本年度は、平成18年度および19年度におこなった調査・研究会・国際シンポジウム等の成果をまとめ、研究成果報告書として歌垣および歌掛けのシステムを体系的に構築する作業をおこなった。 報告書は第I部「序論」、第II部「調査報告編」、第III部「東アジア歌垣サミット編」、第IV部「研究編」、第V部「特別寄稿」、第VI部「資料編」、第VII部「研究成果と課題」として構成し、第I部では歌垣の歴史と中国貴州省トン族の歌唱文化について概論し、歌垣の総体を論じた。第II部では秋田・奄美・中国の歌掛け調査によって得られた事例から、具体的な歌の掛け合いのシステムを論じた。第III部では、各地域の歌掛け行事の実態と現状を報告し、今後の歌掛け文化継承の問題や、「人はなぜ歌うのか」という根源的な問いかけに言及した。第IV部では、研究分担者・連携研究者および研究協力者が、それぞれの視点から歌掛け・歌垣に関わる問題点を提示し、調査に基づく独自の考察を研究した。第V部では自身もトン族である調査協力者・〓敏文氏による中国における大規模な歌垣行事の調査報告と、トン族以外の中国南方少数民族における対歌文化の概況報告を掲載した。第VI部では中国トン族の「大歌」と「行歌坐夜」、および奄美の八月歌「かんでく」の歌詞を資料として掲載した。第VII部では研究成果を総括し、さらに浮かび上がった今後の課題をまとめた。
|