1. 海外実地調査と話者・研究者の招へい 夏休み期間等を利用して、代表者・協力者それぞれが3度に渡り、サハリン、沿海州地域での実地調査を実施。一方、分担者は他経費でアムール、沿海州での調査を実施した。対象言語はウイルタ語、ウデヘ語、ナーナイ語、ウルチャ語であり、既採集資料の分析確認と、新たな資料の収集を行った。またナーナイ語話者と、ロシア人研究者を別途招へいし、資料の収集・分析、および研究打ち合わせを行った。 2. シンポジウム・学会等での発表と研究打ち合わせ 9月に代表者が主宰するかたちで本研究関連のシンポジウムを開催し、代表者と協力者および本科件で招へいした外国人研究者が研究発表を行った。またこの場を利用して、参加した多くの国内研究者と情報交換および研究打ち合わせを行うことができた。11月の日本言語学会では、分担者および協力者が本研究関連の研究発表を行った。さらに1月に代表者所属機関で開催された考古学・民族学関連国際シンポジウムにおいて、代表者と協力者がそれぞれ基調報告と研究発表を行い、本研究による成果の一端を報告した。代表者は2月にもアイヌ語関連シンポジウムで本研究の立場からの発表を行った。 3. テキスト・コーパスの作成と刊行 これまでの研究で蓄積されていたテキスト・データ、および新たに採集された資料について、電子コーパスとしての利用をはかるべく、デジタル化を進めた。その一部についてはテキスト集として冊子体でも刊行した。さらに既存公刊資料について、謝金を利用して新たなデータ入力作業を進め、コーパスの拡大をはかった。また本研究と関連して、さらに1冊のテキスト集とシンポジウム報告書を他経費で刊行した。
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