研究課題/領域番号 |
18320073
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
木部 暢子 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (30192016)
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研究分担者 |
岸江 信介 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90271460)
中井 精一 富山大学, 人文学部, 准教授 (90303198)
新田 哲夫 金沢大学, 文学部, 教授 (90172725)
ダニエル ロング 首都大学東京, オープンユニバーシティ, 准教授 (00247884)
鳥谷 善史 天理大学, 文学部, 非常勤講師 (30412133)
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キーワード | イントネーションの記述 / 諸方言のイントネーション / 疑問文のイントネーショ / 文末のイントネーション / イントネーションの機能 / アクセント体系 / イントネーション・データベース |
研究概要 |
本研究は、(1)方言イントネーションの調査方法の確立とイントネーション調査のモデルの提示、(2)諸方言イントネーションの音声データベースの構築、(3)諸方言のイントネーション・システムの記述、の3点を目的としている。本年度は研究の2年目にあたる。まず、目的の(1)、(2)を達成するために、昨年度の調査地点に加えて、山形県鶴岡市、富山市、つがる市、東京都八丈町、福井市、長崎県対馬、奄美大島、奄美加計呂麻、沖縄県石垣島等で調査を実施した。録音した音声は、調査項目ごとに切り取り、各調査地点のイントネーション・データベースを作成した。客観的な資料として、データベースにピッチ曲線をリンクさせた。次に、目的の(3)を達成するために、8月に国立国語研究所の「話しことばコーパス」の担当者と共同で研究会を開催し、5月と11月に変異理論研究会(関西大学・沖縄国際大学)で研究発表を行った。3月には科研分担者による研究会を開催し、以下のような記述の枠組み案を策定した。(1)イントネーションの機能として、句頭表示機能、句末表示機能、句構造(左右枝分かれ構造)表示機能、文末部分における伝達意図表示機能の4点を設定する。(2)アクセント体系の違い(東京:下げ核・雫石:昇り核・京都:式と下げ核・鹿児島:二型等)により上記4点の機能の現れ方に違いがあることが予想されるので、これについて記述する。(3)文末のイントネーションについては、無型の福井市方言をモデルとして文末詞の体系的整理を行ったのち、イントネーションとの関連を記述する。また、これを京阪方言に応用する。(4)疑問文のイントネーションについては、疑問詞疑問文と真偽疑問文によるイントネーションの違い、地域によるイントネーションの違い等が予想される。これについて仮説を提示する。
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