研究課題/領域番号 |
18320099
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高田 京比子 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (40283668)
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研究分担者 |
三成 美保 摂南大学, 法学部, 教授 (60202347)
山本 秀行 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (90230581)
小浜 正子 日本大学, 文理学部, 教授 (10304560)
田端 泰子 京都橘大学, 文学部, 教授 (20088016)
福長 進 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (90189960)
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キーワード | ジェンダー / 家族 |
研究概要 |
本研究は、「母」役割をキーワードに、従来男性の領域とされてきた公権力と女性の関わり、男性性の形成への「女性」の関与を歴史学的に考察することを目的とする。その際、特に以下の3点に留意した。すなわち、 1,家や親族といった「私」的領域における<母>の役割を考察するだけでなく、できる限り国家や共同体といった「公」的領域における<母>の役割を明らかにすること 2,家や社会における<母>機能を間う場合、従来よく諭じられてきた娘に限定するとなく、史料が許す限り「息子=男性」との関係性の中で考察しようと試みること 3,比較史の視点をとりいれ共同研究を進めること 3年間の研究の結果、女性(特に母親という立場)と権力や公領域との接点の存在、ジェンダー差と世代差のなかで展開される母と息子の力学の多様性、親から父母への分化の問題、乳母を含めた女性を介したネットワークの重要性などが明らかになった。このうち、女性と家長権の問題に関して、2008年秋の比較家族史学会でミニシンポジウムを行うにとができた。このシンポジウムデは、前近代の「家」において、女性が家長を代行する事例や、家長権の遂行が妻・母・姉妹などの女性を介したネットワークに支えられながら維持されていく事例を集積し、「女性がなかば恒常的に家支配に参加することを可能にするシステムが潜在的に存在し、それらが家長不在や家長の無能などのある特殊な状況下で顕在化すると想定」し議論を、日本史・東洋史・西洋史の比較の中で行った。 また、8月には全員による研究報告合宿を行い、3月には論文集の出版に向けて册子体の報告書を作成した。
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