研究課題
平成18年度における研究の主な成果は、次の3点にまとめられる。まず第一に、鉱山史の研究史、特に本研究の主な対象地域である陸奥国東磐井郡(現岩手県一関市)の研究史の把握を行った。そして、その成果については、定期的に開いた研究会(本年度は6月・9月・3月に開催)で整理を行い、研究史上の課題について確認した。第二には、史料の残存状況等について調査した。当初は、東磐井郡の御本判大肝入家である白石家(一関市千厩町)の文書調査を予定していた。だが、同家の文書については、一関市において、平成18年度より調査・整理を行うこととなったため、同じく東磐井郡の御本判大肝入家である鈴木家(一関市東山町)の文書調査を実施した。鈴木家文書については、これまでも一部の史料は知られていたものの、未整理であり、紹介されていない史料も多かった。しかし、今後、研究を進めていく上では鈴木家文書の整理、目録作りは不可欠であったため、調査を行ったものである。尚、史料の点数が多く、目録作成については、平成19年度の課題とした。また、かつての宮城県史編纂時にも、関係史料が採集されていると考えられたため、宮城県公文書館所蔵の「宮城県史写本資料」についても調査を行った。これらの収集した鉱山関係史料については、文書目録を作り、データベース化を進めている。第三には、東磐井郡における産金の実態を知るため、比較的金山遺跡の残存状況が良い、隣接する気仙郡の金山遺跡調査を行った。そこでは、近世、近代には広範に見られる坑道掘りとは異なる、産金のあり方について知ることができた。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)
宮城歴史科学研究 61号
ページ: 1-11
日本歴史 700号
ページ: 95-103
歴史評論 676号
ページ: 53-65
史苑 177号
ページ: 1-4