本研究は、歴史学・民俗学・民具学・水産学の研究分野を異にする研究者が共同し、漁業・漁民・漁村の総合的研究を行い、日本人の伝統文化の特質を海からの視座から解明するものである。具体的には[1]漁民の生業・生活の場である漁村構造の実態とその変化、[2]漁業をとりまく海底環境や海流の変化を含む自然環境・社会環境の実態とその変化、[3]それらに応じた漁具・漁法・漁業組織などの漁業の実態と変化、[4]漁業経営と漁業生産の実態と変化、[5]漁民の生活・文化の実態と変化という五つの課題を設定し、これらの課題に(1)研究分野を超えた共同研究(2)地域を異にする各地域間の共同研究(3)経験を異にする世代間の研究の共同 という研究スタイルをとりつつ各研究者がとりくんでいく。本研究は以上の研究目的を達成するために、平成18年度から21年度にかけて、合同研究会の開催、地域調査の実施を行い、日本の海付き集落の実態を歴史学・民俗学・民具学・水産学の諸側面から明らかにしていく。
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