研究概要 |
本研究の目的は、日本古典歴史史料を対象に、文書構造や歴史的記述方法に着目し設計された英日全文連携検索システムを開発し、インターネット上に公開することにより、歴史学研究を援用し、さらに、国際的なコラボレーションを促進する研究である。直接対象とする文献は、神祗関係の法令である「延喜式」、特定の地方誌的文献である「出雲風土記」、日本初の解釈歴史書である「愚管抄」、「読史余論」、「太平記」、「古語拾遺」、「栄華物語」、「大鏡」等であり、さらに、日本古典文献31巻のディジタル化、日本古典文献の文書を実体と共にその論理構造(階層構造)や属性(XML Schema)を定義可能なXMLでマークアップし、それらXML化された各種文書ファイルをデータベース管理システム(Open Text)に格納し、インターネットのWebブラウザから高速で有効な検索を実現するためのインターフェースを開発した。また、文献情報と古典史料を取り扱うとき重要な地理情報(地理的・歴史的データの連携)との連携化を開発した。 1.歴史史料の文書構造と歴史的記述方法に着目した検索手法を開発した。 2.日本古典文献の対象文献をOCRを利用し入力した(文字認識でディジタル情報化:「愚管抄」、「太平記」、「大鏡」など)。 3.一部文献(愚管抄、太平記、大鏡)に対して、文書構造や相互関連から有効で効率的な検索を可能にするXMLのタグ付けを定義し、全文検索と組み合わせた文書構造検索方式を開発した。 4.文献情報と古典史料を取り扱うとき重要な地理情報(地理的・歴史的データの連携)との連携化を開発した。延喜式に神社名が登載された式内社(2,861社、3,132座)の神社名、地域名、位置情報(緯度、経度)などを作成し、延喜式検索システムにリンクした。 5.式内社データベースを構築した(所在情報表示)。
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