研究課題
平成18年度は、研究代表者および研究分担者のこれまでの個別研究テーマを推進し、総合研究に移行するために、3度にわたる緊密な討議を重ねて、研究内容の連携をはかった。具体的には、代表者・西川は、多角的・広域的な視座から宗派ネットワークを分析をおこなう一方で、1680年代に着目する意義とアプローチについてまとめた。さらに西川は、イギリス、ドイツ、オランダ、フランスにおいて史料収集およびユグノー史研究者・17世紀研究者と情報交換をおこなった。とくに平成20年度にこの科研を利用しておこなう予定であるシンポジウムにむけて、欧米における1680年代研究者のネットワークWilliamite Universeの代表者であるディヴィド・オネキンク氏とトニー・クレイドン氏と議論を重ねた。ロンドンではユグノー史家のロビン・グウィン氏と近年のユグノー研究の展開について意見交換をおこなったが、その際にグウィン氏を日本にまねき、ユグノー史研究における1680年代の位置付けについて報告してもらうこととなった。また平成21年度にベルファストで開催予定のユグノー国際会議で本科研の成果を公表することとなった。研究分担者のうち、大峰は17世紀後半から18世紀前半にかけてフランスに定着したアイルランド・カトリック信徒について、フランス国内の複数の古文書館より一次史料(教区簿冊、帰化申請書)をマイクロフィルムで取りよせ、整理・分析を行い、商業ネットワークとローマ・カトリック信徒のネットワークの連関の解明を試みた。勝田はジャコバイトや秘密結社の諸活動の汎ヨーロッパ的な展開を重視しながらネットワーク研究を行なう一方で、イギリスとアイルランドにおいて、アイルランドの研究動向の把握・史料収集をおこなった。
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創文 490
ページ: 14-18
信仰と他者-寛容と不寛容のヨーロッパ宗教社会史(深沢克己・高山博共編)(東京大学出版会)
ページ: 145-182
ページ: 182-222
David Bates and Kazuhiko Kondo eds., Migration and identity in British history : proceedings of the fifth Anglo-Japanese conference of historians (Tokyo; University of Tokyo Kyozai Shuppan, 2006)
ページ: 160-171