研究課題/領域番号 |
18320120
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 杉子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (80324888)
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研究分担者 |
大峰 真理 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (70323384)
勝田 俊輔 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00313180)
杉浦 未樹 東京国際大学, 経済学部, 准教授 (30438783)
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キーワード | 西洋史 / ネットワーク |
研究概要 |
平成21年度において、研究代表者および研究分担者は総合研究をまとめるために7度にわたる緊密な討議をおこなった。またその過程で、1680年代ヨーロッパにおける複数のネットワークの結節点となったオランダの位置づけを行なうために、東京国際大学の杉浦未樹准教授に新たに研究分担者として参加していただいた他、南北ヨーロッパの交通の要衝となったスイス、さらにハプスブルク帝国の重要性を理解するために、武蔵大学の踊共二教授(スイス史)と筑波大学の宮崎和夫准教授(スペイン史)の報告を聞き議論を重ねた。また西川と勝田はそれぞれイギリスとアイルランドにおいて当該研究動向の把握・資料調査も行なった。これらの成果をふまえたうえで、12月19日東京大学において「1680年代から近世ヨーロッパを視る-政治・宗教・商業空間の転換とネットワーク」と題したシンポジウムを開催し、近世のトランスナショナルなネットワークの重要性について研究発表をおこなった。このシンポジウムにおいては科研のメンバー全員が報告をおこない、さらに京都大学の小山哲教授(ポーランド史)、青山学院大学の安村直己教授(中南米史)および踊教授がコメンテーターとして参加したが,特にウェストファリア体制(1648-1713年)におけるネットワークの重要性については高い関心と評価を得た。さらにネットワークと領域性、異なる性格のネットワークの重層性、1680年代における変化と連続性などについて、今後、いっそうの研究深化が必要であることが確認された。また、この科研のこれまでの報告・シンポジウム内容は、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要『ODYSSEUS』別冊1(2009)として刊行された。
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