研究課題
本プロジェクトの"中世における権力構造のヨーロッパ的特質を明らかする"という課題はその推進母体である「ヨーロッパ中世史研究会」の本来の課題でもある。今回の科研プロジェクト(2006-2008年度)はメンバーの面でも上記の研究会とも重なっており、具体的な研究も順調に遂行されている。課題の具体化の面では2006年度初めに、各自の構想と全体的な目標の明確化のための準備会を開催した。その結果「統合と調整」という共通課題を設定し、その枠組みの中で、各分担者が自己の研究対象を十分考慮して具体的なテーマを決めることができた。各自の研究成果は「論集」として刊行する予定である。「統合と調整」というテーマは(1)紛争解決のメカニズム、(2)議会における合意形成のメカニズム、(3)王権の地域統治と統合のメカニズム、の三つに分けて3年間に順次検討していくこととなった。初年度は(1)のテーマに力点をおくこととし、2006年度当初以降、隔月の割合で例会を開き、研究会以外からも報告者、参加者を得て、問題点の明確化と共有、新たな視点の導入と深化を図ることができた。その結果は中間報告集の形で蓄積する予定である。2007年度は(1)の課題を更に深めるべく、a)外国人研究者の招聘による公開の講演会の開催、b)全国的なシンポジウムの開催を予定している。即ち、a)については(1)の課題において国際的に高い評価を得ているCl.ゴヴァール教授(パリ第一大学)を招き4月初旬に東京と京都で講演会を開き、b)については11月下旬に西洋史研究会と共催で(1)の課題でシンポジウムを東京で開くことになっている。なお、2006年度には科研予算を有効に活用し、活発に文献・史料の収集が行われた。特に3名は海外で自己のテーマに直結した史料の現地での収集を行い、成果を挙げることができた。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (8件) 図書 (4件)
青山史学 25号(印刷中)
ページ: 39-67
(論文集)『法が生まれるとき』(創文社) (印刷中)
ページ: 53-86
青山史学 24号
ページ: 33-54
Mediterranean World XVIII
ページ: 183-196
東洋大学文学部紀要 第60集史学32
ページ: 15
熊本歴史科学研究会会報 57号
ページ: 1-20
(論文集)『法の生成と民法の体系』(創文社)
ページ: 341-385
(論文集)『西洋法制史の現在』(創文社)
ページ: 455-601