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2007 年度 実績報告書

香川県金山産サヌカイト製石器の広域流通システムの復元と先史経済の物質の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18320127
研究機関香川大学

研究代表者

丹羽 佑一  香川大学, 経済学部, 教授 (50140471)

研究分担者 小畑 弘己  熊本大学, 文学部, 准教授 (80274679)
竹広 文明  広島大学, 文学研究科, 准教授 (60252904)
藤野 次史  広島大学, 文学研究科, 准教授 (20144800)
吉田 広  愛媛大学, 法文学部, 准教授 (30263057)
寺林 優  香川大学, 工学部, 准教授 (40243745)
キーワード金山産サヌカイト / 広域流通 / 先史時代 / 原産地遺跡 / 石器生産 / 洗谷技法 / 金山技法 / 蛍光X線分析
研究概要

平成19年度の調査研究の目標は、18年度の金山の分布調査で選定された東地点で石器製造に関して、時代的変遷を跡づける層位データを収集することに求められた。
東1地点の3m四方の発掘調査坑では土壌の形成は極めて低調で土層は認められず地表下3mまで掘り下げたが、サヌカイトの層にわずかに粒子の細かい土が混じる状態であった。沢状地形に大量のサヌカイトが断絶無く流れ込み、窪みを埋めたものと判断される。地表を形成する50cmの石群層には、盛んな石器製作活動と弥生時代の石器素材の製作技法である〔金山技法〕が認められ、多量のかつ風化を殆ど被っていない大型のサヌカイト原石が伴うのに対し、それ以下の石群層には低調な石器製作活動と縄文時代後半の石器素材製作技法である〔洗谷技法〕が認められ、多量の小型の摩耗の進んだサヌカイト原石が伴っていた。階段状に掘り下げたため調査深度は3mを限界とした。そのレベルでは旧石器時代の堆積には至らなかった。
このような東1地点の堆積状態から、金山全域の石器製造の大勢を想定することが可能となった。現地表の状態は弥生時代に近いこと、金山の南部を除いて現地表を形成するサヌカイト群には海抜100mから上方、山頂直下で弥生時代の石器素材の製造技術が顕著であることから、旧石器時代は南部を中心に成品の段階に至る石器製造が行われ、縄文時代になると、主に中腹以下で石器素材の段階までの石器製造、弥生時代になると、中腹以上を主に、ほぼ全域で石器素材の段階までの石器製造が行われたとみられる。
東1地点のサヌカイトの蛍光X線分析を行った。その結果、微量元素の成分比が同高度の南地区のものと同じで、同じ東地区で高度を下げたところのものとは異なることが判明した。高度によって成分の異なることを明らかにしたことは重要な成果である。消費地のサヌカイトで検証すると、金山のサヌカイト採集集団が特定できるからである。

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公開日: 2010-02-03   更新日: 2016-04-21  

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