研究課題/領域番号 |
18320128
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
清家 章 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (40303995)
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研究分担者 |
福永 伸哉 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50189958)
杉井 健 熊本大学, 文学部, 准教授 (90263178)
菊地 芳朗 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (10375347)
橋本 達也 鹿児島大学, 総合研究博物館, 准教授 (20274269)
寺前 直人 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教 (50372602)
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キーワード | 弥生時代 / 古墳時代 / 太平洋ルート / 文物交流 / 地域間関係 |
研究概要 |
本年度は科学研究費の最終年度であったので、これまでに収集した資料の分析とその総括が主な作業であった。また、11月に高知大学で公開シンポジウムを開催し、研究成果は報告書として刊行して、研究成果の公開に努めている。研究成果を総括すると以下のようになる。 まず、紀伊以東と以西とで太平洋ルートの役割は大きく異なることが明らかとなった。まず南四国を中心とした太平洋沿岸交流は、連続的というよりも時代の要所において断続的に展開されている様相が明らかになった。むしろ弥生・古墳期における瀬戸内ルートの重要性が再確認されているともいえるが、文物交流の大動脈といえる瀬戸内ルートの背後で、ある時は独立した動きで、ある時には瀬戸内の補助的役割を担っていることが明かとなっている。とくに弥生時代後期から終末期において、太平洋ルートは畿内勢力と九州勢力との関わりの中で積極的役割を果たしている。また、古墳時代終末期には瀬戸内と異なる勢力によって太平洋ルートの文物交流が顕在化していることが明らかとなっている。また弥生文化成立期においても無視できない文物交流が認められた。この点は弥生文化がどのように成立したかを考える上で重要である。 一方、東海以東では時に積極的役割を果たしている実態を浮き彫りにできた。とくに古墳時代には、東海・東北において有力なルートの一つとして機能していることが判明している。とくに東海では古墳時代中期後葉にその動きが活発化している事が明らかとなっている。
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