本研究では、考古学、文献史や建築史などを含めた学際的チームにより、難波宮をはじめとして、古墳時代以後の古代難波の国際的な性格を徹底的に探る。その柱は以下の2点である。 (1) 前期難波宮の殿舎にみる、左右対称の殿舎配置は日本古代都城の原点をなす。その源流を中国や朝鮮半島の都城を含めて研究する。 (2) 大化改新による難波遷都の背景には、倭王権による古墳時代以来の難波の開発があった。巨大な「法円坂倉庫群」の出現以後、難波では朝鮮半島系の各種文物が発見されている。それらの個別研究を通じて東アジア史の中に古代難波を位置づけ、その国際性を明らかにしたい。
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