研究課題/領域番号 |
18320134
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 義孝 京都大学, 文学研究科, 教授 (30115787)
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研究分担者 |
落合 恵美子 京都大学, 文学研究科, 教授 (90194571)
矢ヶ崎 典隆 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30166475)
西原 純 静岡大学, 情報学部, 教授 (30136626)
井上 孝 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10211749)
竹下 修子 中京女子大学, 人文学部, 教授 (60454360)
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キーワード | 国際結婚 / 外国人 / エスニック・マイノリティ / 国際人口移動 / 多文化共生 / 仲介業者 |
研究概要 |
従来、国際結婚研究は社会学の分野を中心に成果が蓄積されてきたが、本計画では、主に日本を舞台とした国際結婚に焦点をおいて、地理学的視角が有効なことを確認した。得られた知見は多岐にわたるが、特に以下が注目される。 1)わが国の戦後に刊行された国際結婚に関する書籍は多数におよぶが、「戦争花嫁」、「農村の嫁不足」、「比較文化論」などのテーマ別に、書籍の刊行数に消長が見られる。 2)国際結婚には明らかな地域差があり、その有力な地理的要因の一つとして、性比の空間的不均衡が考えられる。また、国際結婚の成立には仲介業者が重要な役割を果たしており、わが国では、『人口動態統計』に記載されている件数の少なくとも3分の1が業者婚と推定される。なお、業者の多くは小規模で短命であるうえ、業者間の競争も激しい。 3)東海地方4県を対象とした研究から、都道府県やそれより下位のスケールである生活圏における国際結婚比率の空間的変異の説明には、性比、産業地域の特性、外国人数などの変数が重要なことが、判明した。 4)日韓の国際結婚カップルの研究から、上方婚と下方婚の件数やその変化は、両国における経済格差や経済発展の時間差を組み込んだモデルによって説明が可能であることが、明らかになった。 5)パキスタン人男性と日本人女性のペアでは、夫が仕事のため日本に残る一方、妻と子供がイスラム教の修得のため、夫の出身国で過ごす事例が増えているが、子供の教育が問題となっていることが、明らかになった。 6)スペイン在住の国際結婚カップルの日本人妻がつくっている「タンポポの会」の研究を通じ、彼女たちによって構成される組織の会報が、研究対象として重要であり、その分析が有効であることが、明らかになった。
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