研究課題/領域番号 |
18320137
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
南出 眞助 追手門学院大学, 国際教養学部, 教授 (80111904)
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研究分担者 |
森島 覚 追手門学院大学, 経済学部, 准教授 (80278598)
山中 雅夫 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (20079346)
重松 伸司 追手門学院大学, 国際教養学部, 教授 (20109242)
西川 喜朗 追手門学院大学, 心理学部, 教授 (90079385)
金田 章裕 京都大学, 大学院・文学研究科, 名誉教授 (60093233)
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キーワード | 国際研究者交流 / 人文地理学 / オーストラリア / 地域開発 / 国際労働力移動 / 労使関係論 / 対外直接投資 / 自由貿易協定 |
研究概要 |
1.補足調査による知見 平成20年度は全体としての合同調査は行わず、平成18年度のダーウィン調査、および平成19年度のパース調査を補足する形で、シドニーなどの他都市との比較を個別的に行った。またオーストラリアのカウンターパートとしてのアジア諸国側の動向に関しても、中国、マレーシア、シンガポールなどについて補足調査を行った。 その結果、たとえばダーウィンにおいては、平成18年当時まだ建設中であった国際会議場が完成し、いくつかのイベントが行われていたが、いま一つ、町のあるいは州の経済発展に直結するような活発さはみられなかった。むしろ国際会議場という付加価値を利用したうウオーターフロント地域の高級住宅地化、他州からの移住促進がメインのようにみえた。公共政策としては、住民レベルでの対アジア交流以前にインフラ整備が優先されることと、航空ネットワークの問題が極めて大きな影響力を持っていることが明確になった。 それに対し日本との関係変化はむしろ東海岸の大都市において顕著であり、たとえばジェットスター便の就航と航路再編成に伴い、ケアンズやゴールドコースト、さらにシドニーなどをめぐるツーリズムあるいはコンテナ空輸の現況に変化が生じていることなどが判明した。 2.資料分析による知見 平成18・19年度に収集したデータについては、平成20年度も追跡調査を行い、この間の変化を分析した。その結果、ダーウィンにおけるアジア系移民やパースにおけるインド人労働者の増加などは、予想していたほど顕著な動きではなく、東海岸大都市地区ほどの変移はみられなかった。つまり、オーストラリア各地における対アジア緊密化の動向は、オーストラリア側からみればアジア最前線にあたる北部・西部からの発信が大きいが、逆にアジア諸国からみれば、やはり就業機会や所得水準において東南部のスケールメリットが大きな吸引力となっており、このインとアウトのずれこそが、今回の研究で指摘できる重要な結論の一つではなかったかと考えられる。
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