研究課題/領域番号 |
18320138
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
野中 健一 立教大学, 文学部, 教授 (20241284)
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研究分担者 |
鯵坂 哲朗 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教 (40144349)
池口 明子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (20387905)
川瀬 久美子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40325353)
関口 秀夫 三重大学, 生物資源学部, 招聘教授 (10024829)
李 善愛 宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (90305863)
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キーワード | 農林水産物 / 環境調和型農林水産 / 国際情報交換 / アジア / 沿岸河口域 / 中国:ベトナム:韓国:日本 |
研究概要 |
本研究は、アジア沿岸河口域の漁業および環境利用と地域変化を対象として調査を進めている。平成21年度は以下の4点を中心として、研究を実施した。 1.伊勢湾沿岸河口域の漁業および環境変化と相互関係 三重県・愛知県の漁業統計および行政資料により、第二次世界大戦後現代にいたる漁業変化から小漁村集落の地域的多様性と変化の地域差を明らかにした。伊勢湾の富栄養化と貧酸素化現象の現状と問題点および将来展望を、山川海の連続の視点から伊勢湾流域圏と位置づけ、伊勢湾再生の問題点と課題を明らかにした。 2.木曽三川河口域における自然環境史と物質循環 木曽三川河口域の縄文時代の内湾化、三角州の前進による海岸部埋め立て、近世以降の干拓や埋立による干潟の減少が顕著となった過程を明らかにした。また、三重県員弁川流域を事例として、上流域から流出する微量元素物質運搬と水質への影響を明らかにし、河川物質流動の測定モデルを考察した。 3.ベトナム河口域における水産養殖の展開 メコンデルタにおける養殖地拡大と環境改善、稲作とオニテナガエビの複合生産システムの開発と持続的な生産、ナマズ養殖の拡大の空間的パターンとグローバル化の社会的関係を明らかにした。 4.アジア沿岸河口域の研究モデル構築 日本・伊勢湾、中国・アモイ、ベトナム・カントー、韓国・セマングム、モッポでの研究事例をもとに国際シンポジウムを開催した。1)漁業操業、漁村社会史、地域開発史からアジア型「漁村社会」の明示と、生活変化と環境問題化にいたる過程と生活者の生活原理を明らかにする枠組み、2)漁業生態分析による生息相と水域環境の時空間変化と相関、3)流域物質流動の測定による自然環境と漁業との相互関連分析、4)農業と内陸漁業の複合的生産システムとその環境持続的システムの構築について、地域、国レベルでのスケールをふまえたとらえ方の枠組みならびに癒合的研究協働の方法を示した。
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