本研究は、アジア沿岸河口域の漁業および環境利用と地域変化を対象として以下の2点を中心に、研究を実施する。 (1) 第二次大戦後大きな環境変化にみまわれたいっぽうで河口域漁業が存続してきた木曽三川河口地域の漁業を対象として、その変容と要因を、生物の再生産とその地形環境といった自然環境、および河川・沿岸管理の制度や沿岸の産業立地など、社会経済的な諸要因から総合的かつ実証的に明らかにする。 (2) 多様な河口水産生物の利用が食文化として発達し、水産資源としても有用であるが、経済的開発や環境変化の影響を受けているアジア河口域(日本、中国、ベトナム、韓国)において比較研究をおこなう。 (3) そこで明らかにされた諸関係をアジア沿岸河口域の現状と照らし合わせ、地域間の差異をふまえた河口域の水産資源利用とその変化の分析枠組みを構築することによって、円滑な国際環境協力の方策を探る。
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