研究課題/領域番号 |
18320139
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
松岡 悦子 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (10183948)
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研究分担者 |
小浜 正子 日本大学, 文理学部, 教授 (10304560)
宮薗 夏美 鹿児島大学, 医学部, 講師 (60352465)
嶋澤 恭子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (90381920)
大日向 純子 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (40301999)
幅崎 麻紀子 北翔大学, 人間福祉学部, 非常勤講師 (00401430)
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キーワード | 近代化 / 出産 / アジア / 助産師 / マタニティーブルーズ / 産後うつ病 / 睡眠 / リプロダクション |
研究概要 |
平成19年度は、2回の研究会と1回の国際シンポジウムを行った。その間に、予定していた中国、ラオス、モンゴル、インドネシア、ネパールでの産後の女性への聞き取り及び質問紙による調査を終了した。また、マイクロミニを用いて、産後1ヶ月目の女性の睡眠パターンを測る調査も、インドネシアとモンゴル、ネパール、ラオスで行った。今年度は、ネパールとラオスを除いて、得られたデータの入力を終了した。このデータの解析については、次年度を待つことになるが、質問紙と並行して、出産した女性たちへの聞き取り調査もそれぞれの分担研究者が行い、出産に対する期待や行動について考察を行った。3月には、助産師や出産を研究する社会学者を海外から6人招き、リプロダクションに関してそれぞれの国が直面している課題についてのワークショップとシンポジウムを3日間にわたって行った。そこでは、主として欧米の研究者が欧米の課題について発表したが、それを通して逆に、アジアのリプロダクションの特徴を浮立たせることができた。 東南アジアの近代化は、これらの国々でのリプロダクションの医療化をもたらしているが、そこでの医療化は、欧米で生じた医療化とは異なる可能性がある。また産後のマタニティーブルーズやうつ病についても、アジアの国々ではまだはっきりと認識されておらず、その背景には産婦をとりまく親族の強いサポートがある。リプロダクションの質と量のコントロールは、いずれの社会においても大きな問題であるが、東南アジアの国々がどのように社会の再生産を行おうとしているか、そのやり方が欧米と異なるかどうかの検討を今後の課題としたい。19年度の成果を、「アジア遊学」という雑誌の特集号として20年度に発表する予定である。
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