研究課題/領域番号 |
18320139
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
松岡 悦子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10183948)
|
研究分担者 |
小浜 正子 日本大学, 文理学部, 教授 (10304560)
宮薗 夏美 鹿児島大学, 医学部, 講師 (60352465)
嶋澤 恭子 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (90381920)
大日向 純子 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (40301999)
幅崎 麻紀子 北翔大学, 人間福祉学部, 非常勤講師 (00401430)
|
キーワード | 出産 / 近代化 / 医療化 / アジア / リプロダクション / マタニティーブルーズ / 睡眠 / ジェンダー |
研究概要 |
20年度にはネパールとラオスのデータを入力し、日本、韓国、ベトナム、モンゴル、中国、インドネシア、ネパール、ラオスのデータを連結した。その上で、これらの国々の妊娠・出産・産後についての比較とマタニティーブルーズや産後うつ病との関連について分析を行った。また、産後1ヶ月目の女性の睡眠パターンをマイクロミニを用いて計測しているが、インドネシア、ラオスのデータを追加し、大日向が分析した。本年度は研究会を6回行い、どのような視点から分析を行うかについて検討を重ねた。その結果、以下のようなことが明らかとなった。1.アジアの都市部の病院出産では医療化が進んでいるが、国によってその中身は異なる。2.医療化は、主に分娩そのものに関してであり、産後については伝統的な習俗が多く残されている。3.韓国、中国の病院出産では医療介入が多く、マタニティーブルーズや産後うつ病の値が高くなっている。4.産後の女性の身の回りの世話を誰がどのように行うかをめぐっては、アジアの中でいくつかの類型化が可能である。5.社会の近代化はいくつかの段階を経て進むので、出産の近代化についてもいくつかの段階が見られる。6.産後の女性の睡眠パターンについては、アジアの女性たちと日本の女性とで、はっきり異なる点が見られなかった。 成果の発表としては、「アジア遊学」の特集を「アジアの出産」として刊行した。また、『ペリネイタルケ』に毎月「変わるアジアの妊娠・出産事情」として連載を始めた(全12回)。また、3月に「マタニティケアを創る-西欧とアジアの視点から」というシンポジウムを開催し、欧米の出産とアジアの出産の比較を行った。さらに、助産学会学術集会で、「アジアのリプロダクション-出産現場から見る現状と変化」として分科会を行った。
|