研究課題/領域番号 |
18330006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 隆司 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70210573)
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研究分担者 |
伊藤 洋一 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (50201934)
交告 尚史 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (40178207)
斎藤 誠 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00186959)
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キーワード | ヨーロッパ行政法 / 行政法 / 一般法原則 |
研究概要 |
(1)国内法秩序とヨーロッパ法規範との関係の問題、すなわち、ヨーロッパ法の法源の国内法における効力の問題ないしヨーロッパ法の国内法に対する優越の問題は、すでに複雑な様相を呈しており、本研究でも平成20年度に分析した。しかし近年さらに、狭義のヨーロッパ法、すなわちEC・EU法と、広義のヨーロッパ法に含まれるヨーロッパ人権条約法、さらには国連法との抵触問題が生じたため、上記のヨーロッパ法の国内法に対する優越問題はいっそう複雑化している。そこで平成21年度は、問題状況を多元的な法秩序間の調整問題として捉えて、整理・分析作業を行った。 (2)以上のいわば静態的分析を補う動態的分析として、国内法、ヨーロッパ法、さらに他の多国間条約の間の相互影響関係の考察も重要である。そこで、こうした動態的分析を、海上保安法制や地方自治法制の分野について行った。 (3)ヨーロッパにおける行政法の基本原理自体も複雑化している。その点を、フランス行政法における権限濫用の法理、およびドイツにおける行政による情報公表法制について分析した。前者については、行政権限の行使に際して目的が複合する場合、権限濫用による違法が認められる場合は限定されていることが判明した。後者については、行政による調査・判断の熟度、情報公表の必要性、情報公表の態様の適切性が、相関的に判断されることが判明した。
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