研究概要 |
本研究は,北米・南米の市場統合と統一国際私法・知的財産法の発展に関するものである。 北米および南米においては,NAFTA, MERCOSURなどの市場統合が進展している。さらに,現在,北米・南米を包括する米州自由貿易市場(FTAA)の計画が米国主導の下に進められている。 EC・EUの例からも明らかな通り,市場統合の進展に伴って国際取引に関連する広い意味での民事法に関する統一が必要とされる。あるいは,逆に,民事法の統一の進展に伴い,市場統合が比較的容易に進められるという側面もあろう。 本研究は,このような市場統合と民事法の統一の問題について,特に北米・南米の地域に限定し,かつ,とくに国際私法と知的財産法に焦点を当てて研究を行うものである。 本年度は,主として(1)米州の市場統合の概括的確認と,(2)米州の統一民事法の研究を行った。 (1)の市場統合に関しては,EUとの比較の見地からEUの文献調査・実態調査を行うとともに,米州機構の事務局等を訪問して事情聴取を行うと共に,必要な文献等を入手した。 (2)の統一民事法の研究については,過去の米州の統一私法・統一国際私法条約について分担しながら文献に基づく研究を進めると共に,研究会を開催することにより,相互の理解・認識を深めた。
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