研究分担者 |
佐伯 仁志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10134438)
酒巻 匡 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50143350)
長沼 範良 上智大学, 法学研究科, 教授 (40164454)
大澤 裕 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (60194130)
川出 敏裕 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80214592)
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研究概要 |
本研究の2年目にあたる本年度は,以下の2つの点を柱として研究を実施した。 1.刑事訴訟法等の改正法の検討 平成19年の3月に国会に提出された「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」が,6月に成立し,これにより,損害賠償命令制度と,被害者参加制度が導入されることとなった。このうち,被害者参加制度は,一定の犯罪の被害者やその遺族等が,「被害者参加人」という地位に基づき刑事裁判に参加することを認めるものであるが,この制度には,批判的な意見も少なくない上に,それを支持する見解の中でも,被害者参加人の法的地位については理解の相違がある。そこで,本年度は,法案の提出直後から,諸外国の制度と比較しつつ,被害者参加制度の根拠,目的,刑事手続の目的との関係での被害者参加人の地位等の基本的問題点につき,定期的に研究会を開いて検討を行った。そして,その成果の一部を,本年5月に開催された日本刑法学会第85回大会の共同研究「犯罪被害者と刑事手続」において報告した。この報告は,学会誌である「刑法雑誌」に掲載予定である。また,それ以外にも,研究分担者が,論文等のかたちで公表したものや公表予定のものがある。 2.海外の制度の調査 前年度における比較法研究を踏まえて,文献から明らかにならなかった点につき,平成19年度中に海外調査を実施する予定であったが,先方との都合が合わず,延期せざるをえなくなった。そこで,海外調査分の費用を繰り越したうえ,来年度(平成20年度)に,可能な範囲で実施する予定である。
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