フランス民事訴訟法典のうち、特別訴訟に関わる第3巻と仲裁に関わる第4巻、および海外領土等への適用に関わる第5巻を対象とする研究と、日本法との比較検討を行った。 第3巻は身分関係訴訟を含むため、近時の家族実体法改正に伴って大幅な改正が進行中であり、実体法に含まれる手続規定と民事訴訟法典に含まれる手続規定とを包括的に理解整理する業によって、その構造を明らかにした。 また、財産法分野の特別訴訟手続では、EUの統一立法に基づく少額訴訟及び督促手続の国内手続が含まれており、フランス民事訴訟法典の内容を検討するにはもはやフランス国内法のみを対象としていたのでは不十分であり、EUの民事手続立法と併せて検討しなければならないことが明らかとなった。この点は今後の課題である。 日本法との比較検討も、特に家事審判法や人事訴訟法との構造的な比較や組織面の比較が重要であることが明らかとなった。
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