研究分担者 |
大石 眞 京都大学, 大学院・公共政策連携研究部, 教授 (80138148)
飯尾 潤 政策研究大学院大学, 大学院・政策研究科, 教授 (90241926)
金井 利之 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40214423)
牧原 出 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00238891)
清水 唯一朗 慶應義塾大学, 総合政策学部, 専任講師 (70361673)
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研究概要 |
研究第2年度(最終年度)にあたる本年度は,前年度に引き続き,第1に,内閣機構に関する基礎資料の収集解析を行った。具体的には,(1)内閣・総理府・内閣府・内閣法制局等に関係する資料群や研究文献を渉猟し,首相官邸をとりまく政治や行政活動について整理した。また,(2)職員録による人事記録の調査とデータ化する作業を進め,あわせてオーラル・ヒストリー調査の対象者の選定を行った。さらに(3)短命に終わった安倍内閣の政権運営についても調査を進めた。 こうした作業の進捗と並行して,第2に,内閣官房や内閣法制局等の関係者に対してオーラル・ヒストリーを実施した。具体的には,内閣官房長官経験者・内閣官房副長官経験者・内閣法制局長官経験者・総理府事務局長経験者等,延べ45回実施した。濃密な聞き取りを蓄積することによって,各対象者のライフヒストリーをはじめ,省庁内でのキャリアパスや,内閣官房・内閣府等における執務の実態および閣僚など政治家との関係などを解析する上で不可欠な証言を得ることに成功した。これらのオーラル・ヒストリーの成果として,(1)90年代における,内閣宮房等内閣補佐機構の有する役割の変容,(2)行政改革における総理府や内閣府設置審議会の役割について,新しい情報を聴取することができた。 また,これに加えて,オーラル・ヒストリー研究の方法論的検討も行うため,政治学分野だけでなく経営学分野や社会学分野も含めた研究会を開催し,相互に知見を深め,これまでの成果をテキストブックとして出版することができた。さらに,過去の研究成果として公表されているオーラル・ヒストリーを比較分析する試みも行い,新しい歴史分析の方法を提示した。
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