2008年10月20日に早稲田大学において、「政党再編と生産レジーム変容第3回国際会議」を開催した。同会議において以下の報告がなされた。井戸は、先進国における政党システムの変化とコーポレート・ガバナンスの変化の関係を実証的に検討するクロスセクショナル研究論文を報告した。シュミッターは、民主政の類型(コンセンサス型vs.多数決型)と資本主義の類型(VoC)の関係について明らかにする新しい理論枠組みおよびその実証的検証の方法を提案する論文を報告した。キャラバンは、グローバリゼーションと資本主義の類型の変化に関する既存の研究のレビューを中心とした論文を報告した。ペンペルは、日本経済のグローバル化が進むことが、自民党にいかなる影響を与えてきているかを分析する論文を報告した。真柄は、イタリアにおける政治再編にはたす野党勢力の政治的能力とイタリア経済の特徴の関係について新しい視角から分析した論文を報告した。押村は、日本における二大政党制が登場しつつあることを、世論調査の分析から検討する論文を報告した。マクナリーは、中国の資本主義経済における政党と資本家のネットワークについて分析した論文を報告した。同会議において、報告者相互の間で活発なコメントと返答が行われ、他の参加者からも重要な指摘がなされた。(なお、家族のご事情から同会議に参加できなかったトリジリア教授からは、イタリアの近年の地域生産システムの展開に関する論文が送られてきた。)
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