東アジア共同体の構築など、現在アジアに寄せられる期待は大きい。しかし一方で、東アジアについて語る場が、日本・中国・韓国・台湾のナショナル・インタレストの衝突の場となり、議論のための共通の土俵を設定することすら困難になることも決してまれではない。本研究では、日本・中国・韓国・台湾の過去と現在に大きな影響を受けた「帝国」という問題を、東アジアの研究者共同の研究領域として設定し、そこでえられた共同の知見に基づき、新しい東アジア共同体構想を提言することをその目的とする。具体的には、 (1) 国際的なネットワークを通じた共同研究を通じてアジア共通の歴史認識の構築を進めるとともに、 (2) 「草の根からのアジア」の構築を目指し、日本とアジアとの社会運動を通じた連携を明らかにする基礎資料の収集ならびに整備を進める。
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