研究課題/領域番号 |
18330051
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
瀧井 克也 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (70346138)
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研究分担者 |
田中 隆一 東京工業大学, 情報理工学研究科, 准教授 (00397704)
佐々木 勝 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (10340647)
松繁 寿和 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (50219424)
石田 潤一郎 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (40324222)
平田 憲司郎 大阪大学, 大学院・経済学研究科, COE研究員 (70423209)
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キーワード | ヴィジョン / 組織能力 / 昇進 / 人事制度 / 教育制度 |
研究概要 |
19年度は更なる理論の展開が行なわれると同時に18年度に構築されたデータを基にした実証分析が開始された。主たる研究実績は以下のようなものである。 理論的には18年度追求された二つのテーマが深められた。一つは、企業の組織能力と有能な人材の配分の問題である。瀧井は企業の組織能力と人材の割り当てが企業間格差の持続性に与える影響に関する論文を完成させた。瀧井と田中はさらに進めて、組織能力と人材の割り当てが重要な社会において、教育システムの違いがGDPに与える影響について分析した。現在、瀧井と田中は、企業の強みが効率的でない保護政策等によってもたらされている時、組織能力と人材との間の割り当てのあり方をゆがめることで、どの程度社会的損失を生むのか、またそのことは教育のリターンにどのように影響を与えるのかということに関する分析を進めている。二つ目は、企業内のインセンティブシステムの問題である。この点については石田が分析を進めている。具体的には、キャリアを通じた経営者に対する動機付けは環境の大きな変化がおこったときには負の影響を生み出す可能性があることを石田は指摘している。 実証的には18年度に引き続き、データの構築および、クリーニングに多大な時間がさかれたが、同時に、少しずつ分析が進められてきている。第1に、佐々木、瀧井、万はダイヤモンド社の役員管理職員情報と日経ニーズのデータを使い、昇進やローテーションの企業間の違い等を分析している。第2に、鈴木と瀧井は日経ニーズのデータを使い合併の生産性効果および、合併を通じて企業の知識資本がどの程度移転されるかについての分析をすすめている。第3に、松繁は、ある個別企業の従業員へのアンケート調査等を再度行ない、人事制度の変化がどのように労働者の意識を変えているのかの分析を進めている。 なお、他の個別分担者の独自活動は列挙しないが下記研究成果を参照されたい。
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