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2007 年度 実績報告書

市場・組織・社会における倫理喪失と信頼低下に関する経済学的・ゲーム論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18330059
研究機関一橋大学

研究代表者

荒井 一博  一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40134879)

キーワード市場 / 信頼低下 / 不祥事 / 非倫理的行動 / アンケート / 経営 / ゲーム実験 / 信頼の醸成
研究概要

昨年度に民間の調査会社を利用して収集した組織内の不祥事に関するデータを使って、他分野の研究者などと本格的な分析を平成19年度に行い、論文を作成し刊行した。平成19年度は市場における非倫理的行動や信頼低下が主要テーマなので、それに合ったデータを民間の調査会社を利用して新たに収集した。ちょうど食品偽装の問題が頻発したので、食品市場に焦点を絞ってデータ収集を行った。すなわち、食品業界で働く人たちを対象に、食品偽装の実態・原因や品質向上努力などに関係する質問のアンケートを行った。現在はその統計的分析を行っている最中である。
大学生を被験者としたある程度大掛かりなゲーム実験も行った。最初に個人の価値観を調査し、次のような独創的なゲームの実験を行った。一つは繰り返しゲームに似ているが、それとは違って段階ごとに利得が比例的に拡大していく場合に、どのような協力・信頼行動が実現するかを観察するものである。実験者が協力促進の説得を行わない場合と行う場合の両方を実験した。もう一つはグループの影響を観察する実験で、最後通牒ゲームや信頼ゲームをグループ間で行う実験、多数のグループを形成しグループ間で公共財ゲームの利得合計を競う実験などである。いくつかのゲーム的状況を想定して、それに対する反応に関するアンケート調査も併用した。実験の結果は現在分析中である。
オーストラリアの大学を訪問して、2つの大学で研究発表を行った。それとともに、現地の研究者と討議・情報交換をした。このことは本研究課題における日豪の異同を考察するのにも役立った。
そのほかに、研究会で多数の日本人研究者と多様な市場における信頼の問題を議論し、その成果を論文にした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 組織風土と不祥事に関する実証分析2008

    • 著者名/発表者名
      星野崇宏・荒井一博・平野茂実・柳澤秀吉
    • 雑誌名

      一橋経済学 2(2)

      ページ: 157-177

  • [雑誌論文] 平成不況期の人的資源管理改革による従業員意識の個人化-市場化する雇用関係2008

    • 著者名/発表者名
      津崎克彦・倉田良樹・荒井一博
    • 雑誌名

      一橋社会科学 4号(印刷中)

  • [雑誌論文] Trust and Trustworthiness in the Economy: How They Function and How They Should Be Promoted2007

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Arai
    • 雑誌名

      Hitotsubashi Journal of Economics 48(2)

      ページ: 225-240

  • [図書] 岡村宗二編『信頼と安心の日本経済』第1章「:市場や組織の信頼とその醸成主体」2008

    • 著者名/発表者名
      荒井一博
    • 出版者
      勁草書房(印刷中)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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