研究課題/領域番号 |
18330062
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
上山 邦雄 城西大学, 経済学部, 教授 (90095307)
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研究分担者 |
かく 燕書 明治大学, 経営学部, 教授 (80287888)
呉 在〓 東京大学, 経営学研究科ものづくり経営センター, 特任助教授 (20396823)
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キーワード | 国際研究者交流 / 自動車 / 電機 / 競争力構造 / 競争順位戦略 / 日本:中国:韓国 |
研究概要 |
平成18年度には、国内調査に加えて、中国現地調査2回、韓国現地調査1回を実施した。本研究の目的は、日本、中国、韓国の3国における競争力構造の現状を現地調査を踏まえて分析し、競争優位戦略の再構築の方向を国際共同研究を通じて明らかにすることとしていた。今年度の研究を通じて、国際共同研究の遂行体制を確実なものとするとともに、以下の点が明らかとなった。まず、中国経済の予想を超える巨大化が進行する中で、中国企業の成長が著しい点である。電機では、ハイアール、ハイセンスを訪問した。外国の最新の技術を素早く取り入れて成長してきたハイアールの成功要因にはこれまで品質管理など多くの論点が指摘されているが、GKや日南という目系設計、試作会社との提携を通じてデザインが洗練化されてきたことである。これに対し、ハイセンスは外国技術を導入するにしても、自力の研究開発を重視していることであり、これまでの中国企業を特徴づけてきた模倣段階からの脱却、イノベーション段階への到達の可能性も開けてきているように思われた。自動車の揚合、特に乗用車については、中国はこれまで電機と比べて、発展段階が遅れていた。しかし、まだまだ日韓よりは遅れていることは事実であるとしても、奇瑞や吉利などの民族系組立メーカーや、それ以上に浙江銀輪機械やMINTHなどの部品メーカーの実力向上を確認し、それが2006年の自動車産業の急成長を支えたことを実感した。韓国については、全体的には既に模倣段階から脱却し、イノベーション段階に入る中で、日米欧との競争が熾烈になりつつある。これまで韓国メーカーは低価格を競争優位の武器としていたが、品質向上を目的に、不良率を低下させる「シングルPPM」運動が活発に展開されていることを確認した。今年度の研究を通じて、こうした競争力構造のダイナミックな変化を認識することができた。
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