研究概要 |
研究初年度である平成18年度については、以下の4項目を中心に基礎的調査を行った。 【1.路上駐車対策実態調査】(主に青木担当)については、路上駐車対策の1つとして我が国でも注目度が高いパークアンドライドについて、先進事例であるフランスの都市交通について、交通関係の研究機関であるCERTUやフランスの省庁、カーンなどの諸都市で、ヒヤリングや文献調査を行った。【2.路上駐車の配置が旅行時間に与える影響の仮説構築】(主に松本、轟担当)では、路上駐車台数、路上駐車車両配置パターン、交通量の差異が旅行時間に与える影響について理論仮説の構築に努めた。この仮説 をもとに、【3.路上駐車と実交通流の関係に関するモデル化】(主に松本、轟担当)を進めるため、千葉県浦安市の新浦安駅周辺バス停付近と高知県高知市国道33号大橋通交差点付近で、社会的費用計測モデルを構築する基礎データとなる交通量や旅行時間、路上駐車の状況について実測データを収集・分析した。新浦安駅周辺で得たデータについては、公共交通機関であるバスが路上駐車から受ける影響を分析するモデルを構築し、社会的費用を推計した。成果の一部は、平成18年11月に開催された第50回日本大学理工学部学術講演会(都市・交通計画部会)で、村川貴紀,轟朝幸,松本修一,「路上駐車発生による社会的費用の計測-バスと一般車への影響分析-」として発表した。【4.環境負荷を含めた路上駐車の社会的費用の計測】(主に中村、大西担当)については、次年度以降の分析の準備段階としてシンプルネットワークでの簡単なモデルで環境評価のモデリングを行うシミュレーションを実施した。すなわち片側2車線道路で路上駐車車両の存在が旅行時間に与える変化から、環境影響物質(NOx, SO2,SPM)や二酸化炭素(CO2)の排出量の変化を推計し、金銭化を試みた。
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