研究課題/領域番号 |
18330068
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
C.Y. Horioka 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90173632)
|
研究分担者 |
若林 緑 大阪府立大学, 経済学部, 准教授 (60364022)
暮石 渉 国立社会保障・人口問題研究所, 研究員 (00509341)
|
キーワード | 家計 / 親子関係 / 世代間移転 / 消費 / 貯蓄 / 遺産 / 老後 / 親子同居 |
研究概要 |
利己主義を前提としたライフ・サイクル・モデル、利他主義モデル、王朝モデル、社会的規範モデルなど、家計行動を説明しようとする理論モデルは数多く存在するが、実際にはこれらのうち、どのモデルが成り立っているのであろうか。本研究の目的は、様々なアンケート調査からの個票データを用いて日本における世代間移転(遺産、生前贈与)および親子関係について吟味し、そうすることによって、どの家計行動に関する理論モデルが日本および他国(アメリカ、中国、インド)において成り立っているかを明らかにすることである。具体的には、遺産やそれ以外の世代間移転がどのくらいあり、子供がどの程度高齢の親と同居し、どの程度高齢の親の世話、介護、経済的援助をするかを明ちかにし、これらの行動の決定要因について検証し、親の遺産やそれ以外の世代間移転(または親の資産)と子供が高齢の親と同居し、高齢の親の世話、介護、経済的援助などをする度合いの間にどの程度の相関があるかについて吟味することによって、日本においてどの家計行動に関する理論モデルが成り立っているかを明らかにした。まず、家計行動に関する4つの理論モデル(ライフ・サイクル仮説、利他主義モデル、王朝モデル、社会的規範モデル)を構築し、それらのモデルの世代間移転、親子関係に対する含蓄を導出した。次に、記述統計を検討し、推定モデルおよび検定する仮説について検討し、使用するデータ(特に「くらしの好みと満足度に社会学会全国家族調査委員会)、「世帯内分配・世代間移転に関する研究調査」、「消費生活に関するパネル調査」(いずれも財団法人家計経済研究所)の整理および分析を行い、分析結果を吟味し、論文をまとめた。その結果、4つのモデルが多かれ少なかれ日本においても他国においても成り立っているが、特に利己主義を前提としてライフ・サイクル・モデル、王朝モデルと社会的規範が成り立っていることが分かった。
|