研究概要 |
本研究はプロジェクトA「国際資本市場におけるインプライド・ボラティリティと投資家行動」,プロジェクトB「高頻度のオプション・データ(High-Frequency data)による株式市場ボラティリティのモデリング」,プロジェクトC「多国間の実質利子率における収束メカニズムと変動化の研究」の3つのプロジェクトから成り,平成18年度においては,(1)プロジェクトAの論文発表と実証分析の継続(2)プロジェクトBの論文発表と次年度以降における研究準備のために必要なHigh-Frequencyデータの処理(3)プロジェクトCの論文発表等の3点を計画していた.以下のように,本年度は計画通り研究を進めることができた. (1)に関しては,日本株式市場におけるインプライド・ボラティリティ指数の分布を分析し,収益率変動性との関係も検討した.その分析結果は"The Nikkei 225 Implied Volatility Index and the Behavior of Volatility Expectations in the Japanese Stock Market" -Nippon Finance Association Conference 2007において発表する予定である.また,本論文はNishina, Maghrebi and Kim(2007)として海外学術雑誌に投稿中である. (2)に関しては,韓国金融資本市場において,初めてのKOSPI200インプライド・ボラティリティ指数を開発した.この指数の市場変動性に対する予測力についての分析結果は"The KOSPI200 Implied Volatility Index : Evidence of Regime Switches in Volatility Expectations"としてFirst International Conference on Asia Pacific Financial Markets 2006において発表された.また,Maghrebi, Kim and Nishina(2007)として学術雑誌Asia Pacific Journal of Financial Studiesから出版された.さらに,引き続いてHigh-Frequency Data(Tickデータ・分次データ)に基づく研究を継続する予定である. (3)に関しては,国際金融市場間におけるVolatility Spilloversの分析とMarkov Regime-Switching Cointegration Testを行った.G7諸国の実質利子率についての分析結果はHolmes and Maghrebi(2007) "Is there a connection between monetary unification and real economic integration? Evidence from regime-switching stationarity tests"として学術雑誌に投稿した.
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