研究概要 |
本研究はプロジェクトA「国際資本市場におけるインプライド・ボラティリティと投資家行動」,プロジェクトB「高頻度のオプション・データ(High-Frequency data)による株式市場ボラティリティのモデリング」,プロジェクトC「多国間の実質利子率における収束メカニズムと変動化の研究」の3つのプロジェクトから成り,平成19年度においては,計画通り研究を進めることができ、次の成果を得た. プロジェクトAに関しては論文発表と実証分析の継続:日本株式市場における日経225オプション価格を用いて、インプライド・ボラティリティ指数の開発・分布の特徴および予想力を検討し、金融危機を含めた分析結果はNishina,Maghrebi and Kim(2009)として海外学術雑誌に投稿中である.東京大学経済学研究科のApplied Statisitics Workshp(2009)において、Chicago Board Options Exchangeのフィルタリング・ルールによる近似誤差(approximation errors)について発表した.プロジェクトBに関しては必要なデータの処理・実証分析と論文発表:本プロジェクトでは、KOSPI200指数オプションの分次データを用いてKOSPI200implied volatility indexを開発した.このインプライド・ボラティリティ指数を用いて、韓国中央銀行の金融政策決定会議と株式市場ボラティリティとの関係性について検討した.その分析結果はAsia-Pacific Association of Derivatives APAD(2008)において、Maghrebi and Kim(2008)として発表した. プロジェクトCに関しては次の論文を発表:Markov-regime switching cointegration testを用いて、G7諸国の実質利子率の長期にわたる収束メカニズムと非線形性の分析結果は海外学術雑誌Journal of International Finance and Money(2008年10月,Vol.27)に掲載された.
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