研究課題/領域番号 |
18330070
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
須齋 正幸 長崎大学, 経済学部, 教授 (40206454)
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研究分担者 |
藤田 渉 長崎大学, 経済学部, 教授 (30264196)
福澤 勝彦 長崎大学, 経済学部, 教授 (00208935)
森保 洋 長崎大学, 経済学部, 准教授 (10304924)
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キーワード | 超高頻度データ / オーダーフロー / リーマンショック |
研究概要 |
本年度はリーマンショックがアメリカ金融市場で発生したことを受け、国内の金融市場の影響が外国為替市場にどのように影響を与えるかを、円、ドル、ユーロの三つの主要通貨間の三つの為替レートを用いて分析を行った。これら三つの為替レートは裁定取引を通じて均衡関係にあることが理論的には示されている。リーマンショックのような、為替レートに与える影響、その規模などが未知であるイベントを採用し、そのような性格を持つ情報が外国為替市場に与える影響を、時系列モデルを用いて検証した。そこではイベントの無い期間、あるいは同一期間で他年度の結果と比較し、通貨間の相互依存性が明確に低下するとともに、ボラティリティーが高くなることが明らかとなった。特に、ドル/ユーロレートは他の二つの為替レートとの均衡関係も異なることが示された。 本年度は上記のテーマに加え、市場に流入する情報を代理する変数に関する研究を進めてきた。これまでは取引量が代理変数として重要であるとの研究が多く見られたが、ここではbidとaskの情報を利用したオーダーフローデータを構築し、これら二つの変数の代理変数としての優位性を比較検討した。オーダーフローデータが利用できる場合、そこで用いられている情報量は取引量に比較して多いため、流入情報の代理変数としてもその優位性は高まるとの成果が報告されている。ここでは外国為替市場を対象に両者を比較したところ、これまでの成果とは異なり、取引量の方が代理変数としての優位性が高いという結果を得た。
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