研究課題/領域番号 |
18330077
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福嶋 路 東北大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (70292191)
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研究分担者 |
渡部 俊也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00334350)
米山 茂美 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30258496)
竹田 陽子 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (80319011)
妹尾 大 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (90303346)
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キーワード | 技術の商業化 / 技術の開示 / 技術の用途探索 / 知的財産権 |
研究概要 |
本研究は、用途の定まっていない技術がいかに応用先を見つけるかという問題を、技術の開示という観点から明らかにするものであった。2008年度は、2007年度に行ったA社研究所へのアンケート調査を回収、データ入力、分析を行い、また比較対象のためにもう一社(B社)へ新たにアンケートを投げ、分析および比較を行った。さらにA社に関しては事例研究も行った。アンケートの結果、用途の定まっていない技術の事業化を社内・社外に積極的に開示することが、事業化成功につながること、また技術の用途が定まっていない技術については、メンバーや開示の多様性が正の結果をもたらすことが明らかになった。総じて開示活動は事業化・用途探索に正の影響をもたらすことが明らかになった。これは事例研究からも明らかであるように思われた。しかしその後、研究会での議論の中で、委託研究と自発的研究かが開示に対して影響を与える可能性が指摘され、これらを分けて分析する必要性に気づいた。結果、全体のデータと自発的研究に限ったデータでの分析とでは齟齬が生じることが明らかになってきた。つまり自発研究においては、必ずしも早期の技術開示は必ずしもプラスであるとは限らず、ある程度成果がでてからの開示が望ましいこと、また開示先も他社の製品・企画・マーケティング部門や社内の研究開発部門といったところに開示することが事業化成功につながるという結果が出た。これら結果を整合的に解釈するには、もう少し時間がかかると思われる。また2社だけではなく、もう少し多くのサンプルが必要になると思われる。これらは今後の課題としたい。
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