研究課題/領域番号 |
18330080
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
西口 敏宏 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (20270928)
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研究分担者 |
辻田 素子 龍谷大学, 経済学部, 助教授 (40350920)
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キーワード | ネットワーク / 社会システム / 組織間関係 / 産業集積 / アウトソーシング / 中国民営企業 / フランス:イタリア:スペイン:ポルトガル:中国 |
研究概要 |
平成18年度は、これまでのネットワーク研究の成果を世に問うとともに、特定地域のネットワーク構造とその経済発展との関係に焦点に絞り、平成19年度以降に予定する本格調査に向けた基盤を整備した。 1.研究代表者の西口は、自動車のサプライヤーネットワークや中国の温州人ネットワークなど、これまでの研究成果を最新のスモールワールド・ネットワーク理論の枠組みで分析し、『遠距離交際と近所づきあい-成功する組織ネットワーク戦略』(NTT出版)にまとめ、個人や組織のパフォーマンスは、個人や組織のつながり方の構造、つまりトポロジーに強く影響を受けることを、理論的かつ実証的な側面から浮き彫りにした。そうした研究成果は、日本経済新聞社と一橋大学イノベーション研究センター共催の国際シンポジウムや『一橋ビジネスレビュー』等でも披露し、高い関心を集めた。 2.温州人の域外ネットワークの実態を追究した。欧州の主要都市を訪問し、温州人がどのような経緯でいかにして当該地域に多数移住したのか、同郷人ネットワークは移住やビジネス活動にどのような機能を果たしてきたのか、さらに、そうした温州人移民が当該地域の経済にいかなる影響を及ぼしているか等について、詳細な聞き取り調査を実施した。 3.また、欧州在住の温州商人が主たる仕入先としている中国最大の卸市場・浙江省義烏市と、多数の温州靴企業が進出している内陸の工業都市、四川省成都でも、現地の政府や温州企業への聞き取り調査を実施し、温州人および温州人企業がどのようなネットワークを利用しながらいかなるビジネスを展開しているかを探った。 4.日本国内についても、岩手県釜石市の実態調査に着手し、どのようなネットワークが新しい企業の誘致や既存企業の事業転換に貢献しているかを考察した。
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