研究課題/領域番号 |
18330082
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
五十嵐 伸吾 九州大学, ベンチャービジネスラボラトリー, 准教授 (00403915)
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研究分担者 |
田路 則子 法政大学, 経営学部, 准教授 (00322587)
鹿住 倫世 高千穂大学, 経営学部, 准教授 (00349193)
露木 恵美子 明星大学, 情報学部, 准教授 (10409534)
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キーワード | インキュペーション / 技術移転 / ハイテクスタートアップ / スタートアップ支援 / ギャップファンド / 大学人の兼業 / VC |
研究概要 |
インキュベーションの調査として、米国、台湾、香港、シンガポール、中国、スイス、ベルギー、イタリアへ出張した。日本のスタートアップに関しては、ソフトウェア産業のスタートアップ企業のプレ調査を行い。その結果を元に、調査票1,100件を送付した。米シリコンバレー調査からはシリアル型の起業を支えるのは、経営陣も雇用される技術者も狭い地域にプールされていて、適切なタイミングで必要な人材が徐々に投入されるメカニズムが出来上がっていることであることが判明した。これは、起業人材に窮して、経営チームを形成して役割を分担することがほとんど不可能に近い日本とは大きな相違があった。台湾、香港、シンガポールにおけるハイテクスタートアップ創出政策とインキュペーションの関係を調査した結果、香港ではリサーチパーク建設によるインフラ整備により、外資の研究開発企業の誘致が主な政策であり、そこから地域企業への技術の波及効果を狙っている。台湾、シンガポールは、政府による研究開発資金の供給と、ターゲット分野における研究から事業化までの一貫支援が特徴として挙げられる。スイス、ベルギー、イタリアのハイテク・スタートアップス創出政策とインキュペーションについて、スタートアップス創出に定評のある大学や研究所を訪問し、現地調査を行った。3ヶ国のうち、具体的な成果を出している(スピンオフ企業の設立、買収、上場)のは、ベルギー(主にルーバン地域を調査)だけであり、スイスにおいては、2000年前後から大学からのスピンオフを創出すべく、ラィセンシング制度を整え、インキュペーション機関を設立し、積極的な支援を行っているが、具体的な成果にはあまり結びついていない。イタリアも2002年頃からインキュペーションを積極的に行ってはいるものの、ほとんど成果を出すには至っていないことが明らかになった。
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