研究課題/領域番号 |
18330088
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
江夏 健一 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90088097)
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研究分担者 |
坂野 友昭 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (40139506)
長谷川 信次 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90218446)
大東和 武司 広島市立大学, 国際学部, 教授 (40152194)
高井 透 日本大学, 商学部, 教授 (60255247)
土井 一生 九州産業大学, 経営学部, 教授 (00247248)
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キーワード | サービス・マルチナショナルズ / アジア市場 / グローバル競争 / 小売 / 金融サービス / 多国籍企業 |
研究概要 |
研究最終年度の本年度では、当研究課題に関する文献による理論研究と国内外での実態調査をベースにして、より細分化したテーマのチームおよび個人レベルで研究を実施した。理論研究では、BuckleyやCassonをはじめとする内部化・取引コスト理論、Porterをはじめとする産業組織論、さらにBartlettやGhoshalによるコンティンジェンシー・アプローチを体系的に整理し、アジア地域もしくはサービス産業に適用するための動態的な理論を模索した。 他方、実態調査では、アジアの都市(北京、上海、広州、成都、香港、台北、ソウル、デリー、ベンガロール、バンコ久ホーチミン、およびドバイ等)において流通、教育、コンサルティング、IT、ホスピタリティ、運輸、銀行、消費者金融、広告などのサービス産業やメーカの企業ならびに行政サービス機関に調査を行った。また、外部の専門家を招聘して、新たなモデルや理論の構築のための議論を行った。 これらの研究成果として、おおよそ次のような知見が得られた。(1)アジア諸国における日米欧のサービス多国籍企業(SMN)の展開は、地域により大きな偏在がある。例えば、ドバイでは欧米企業による直接投資が著しい。また、小売・流通部門では、インドと中国では政策が大きく異なる。(2)日米欧のSMNの競争力を比較すると、全体的に日系企業の進出は遅い。日系企業の「知識マネジメント」や「国際人的資源管理」が重要な課題になる。(3)今後のアジア諸国でのサービス産業の発展にとって、各国のサービス産業に対する開放政策の在り方が問われている。特に、インド、中国内陸部において、小売・流通、物流、金融に対する規制緩和が重要である。 SMNについての研究は欧米の学界で盛んであるが、日本では端緒に着いたばかりである。また、日系SMNの競争優位性は十分とはいえず、今後もSMNの研究を進める必要がある。
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