研究課題/領域番号 |
18330104
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
轟 亮 金沢大学, 文学部, 准教授 (20281769)
|
研究分担者 |
溝部 明男 金沢大学, 文学部, 教授 (90127142)
田邊 浩 金沢大学, 人間社会環境研究科, 助教 (50293329)
柴田 正良 金沢大学, 文学部, 教授 (20201543)
佐々木 潤子 金沢大学, 法学部, 准教授 (50314894)
橋本 和幸 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (80031798)
|
キーワード | 社会学研究法 / 社会調査法 / 調査倫理 / 中規模社会調査 / 全国自治体調査 / 原票管理 |
研究概要 |
第一に、回収原票の適切処理の実践的方法のβ版を開発した。スキャナによる読み込み、pdfファイル化、ファイルの整理、過不足のないセキュリティのもとの保管等について、作業過程での諸問題点を検討し、現時点で最善であると考えられる技法をパッケージ化した。この成果は、日本社会学会において報告し、他大学研究者と質疑を行った。 第二に、抽出台帳閲覧制限や自治体の実施する住民意識調査をテーマとして、全国地方自治体1827市区町村を対象とする郵送調査を実施した。回収率は75%を超え、たいへん良好であった。データから、大学等による学術調査について、住民基本台帳では8.9%、選挙人名簿では5.4%が、基本的に閲覧拒否される状況にあること、自治体が行う住民意識調査において、回収原票管理やデータの二次利用の点での課題がかなり自治体で存在していることなどの事実が明らかとなった。この全国の動向についてはこれまで知られておらず、非常に重要な情報であると考える。この成果は、速報として日本社会学会において報告を行った。 第三に、現代的社会環境に対応したデータ収集法としての卒業生調査の実施から得られた知見を、失敗学的に検討し、その実践知を整理した。「中範囲の社会調査」という概念を提起し、対外的には名簿の定期的な更新と厳格な管理、郵便葉書法による調査データの匿名性の確保が重要かつ、高回収率を得るために有効であること、調査組織内においては、調査組織構造を検討し、マネージメントに注意を払うこと、調査資源とタスクのバランスを取ることがきわめて重要であること等を主張した。この成果は、論文および関西社会学会、日本社会学会において発表した。
|