本研究は、現代の社会環境の変動に対応して、地域レベルの社会調査(中規模社会調査、調査組織が直接的に調査の全過程をマネージできる規模の調査)を良好かつ適切に実施するための研究調査システムを、調査実施の「実践知」に基づき開発することが目的である。現代の社会環境の変動とは、調査拒否や対象者との接触困難等による回収率の低下、個人情報保護ポリシーの厳格化等、今日的変化を指している。 本研究は、以下の計画によって構成される。 (1) 新しい地域-社会調査方法論の探究 : 調査環境の悪化への対応として、地域-社会調査の実施過程を理論的、経験的に検討し、問題に対応した調査実施モデルを構築する。 (2) 実務場面に対応した調査倫理の確立 : 個人情報保護法等の制度に社会調査が適切に対応する方法を、実施実態例・先進事例への調査等により解明する。 (3) 方法の応用研究としての地域-社会調査の実施 : 実施モデルの有効性を確認し、さらに洗練を図るため、各年度において地域-社会調査を実施する。
|