研究課題/領域番号 |
18330107
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
野口 道彦 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 教授 (00116170)
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研究分担者 |
脇村 孝平 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30230931)
佐藤 彰男 大手前大学, 現代社会学部, 准教授 (70249514)
三宅 博之 北九州市立大学, 法学部, 教授 (60211596)
谷口 弘行 神戸学院大学, 法学部, 教授 (40068234)
坂本 真司 大手前大学, 人文科学部, 非常勤講師 (20425094)
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キーワード | 清掃労働者 / バングラデシュ / カースト / ヒンズー / モスリム / 差別 / エスニック / 社会階層 |
研究概要 |
研究会は、5月20日、6月11日、6月17日、9月14日、11月2日、12月16日、3月21日、3月27日の8回行った。うち、チッタゴン大学イフティカル・チョウドリー教授を迎えての研究会は5回であった。また、2007年10月6日、日本南アジア学会大会の小パネル「深刻化する都市環境とカースト/エスニシティ:バングラデシュの清掃労働者をめぐって」を脇村が司会をし、これまでの調査の成果を、野口、佐藤、三宅、佐野、佐藤が報告した。現地での調査は、8月にはダッカにおいて佐野、三宅が、9月にはチッタゴンにおいて野口が、2月にはチッタゴンにおいて坂本、3月にはダッカにおいて佐野が、それぞれの問題意識にもとついて、聞き取り調査、データの収集を行った。また、他の研究助成により、9月には佐藤、坂本が、2月に脇村が、佐藤が3月に現地での調査を行い、本研究にも関連するデータの収集を行った。パネル調査については、2006年度の試行的調査では、対象者を9歳を中心としていたが、年齢的に幼く、十分な表現力をもたないために、年齢を引き上げ、対象者を12歳〜16歳に変更した。今年度、調査に協力してもらえたのはマダルバリ地区を中心に11ケースについてであり、日常の行動や通学状況とともに、将来のつきたい職業、将来の居住希望の場所、他地区に転出して、清掃以外の仕事に従事している人を知っているか等、社会移動に関連したインテンシブなデータを収集した。坂本は、とくに子どもたちのテレビ視聴状況をききとり、アイデンティティ形成とメディア関係を明らかにするデータの収集を行った(野口、坂本、佐藤)。共同研究者であるイフティカル・チョウドリー教授は、Dalits概念をHindu DalitsだけでなくMuslim Dalitsも含め広くとらえて、バングラデシュにおける被差別諸集団の差別の形態を比較検討するデータの収集を行い、本研究のテーマである清掃労働者諸集団の社会移動をより広い社会的文脈での理解を促進させた。また、佐野は、2002年に結成されたBDHR(Bangladesh Dalits Human Right)のリーダーへの聞き取り調査をおこない、他の清掃人関係団体、労働組合との関係などとの比較検討するデータの収集を行った。また、三宅は、ダッカで廃棄物から有用資源の回収を行う子どもたち(トカイ=waste picker)の実態調査を行った。
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