研究課題
本課題は、札幌学院大学の「SORDデータアーカイブ」を拠点として、社会学史上大きな意義を有している二つの調査水脈-布施「夕張調査」および似田貝グループ諸調査-の整理・管理・公開を軸にして、「社会調査史の博物館」構築を目指すプロジェクトである。SORDデータアーカイブでは数年かけて、合計して段ボール120箱程度になるオリジナル・データセットと関連資料を受け入れた。本課題の前半の2年をかけて、ようやく基礎的な収蔵資料リストを作成し、段ボールを開梱して配架する作業にほぼ目処がついた。さらに、「夕張調査」については、調査票の電子化(PDF化)に加えて、調査票に記入されている内容のデータベース的電子化までを行い、『夕張調査資料集成』とも呼ぶべき資料を作成する準備が整ってきた。関連して、夕張周辺で炭坑遺産保存活動に関わっている関係者との協力体制の確立はさらに進行し、2年目の今年度には英国の炭鉱地帯で同様のアーカイブ活動に携わっているSwansea大学の関係者を招聘して有意義な意見交換を行うことができた。このように博物館的機能の基礎づけやアーカイブズ学の進展を目指して努力を続けている。内部組織としては、博士課程在籍者をリサーチ・アシスタントとして雇用し、毎月5日間程度、集中的に資料整理・研究課題の抽出等を依頼し、その成果および研究代表者・分担者各自の作業を持ち寄って、月一回の頻度で会議ないしワークショップを開催、情報共有と課題確認を行っている。その成果は既に2本の紀要論文およびアーカイブズ学会での口頭報告に表現されている。
すべて 2007 その他
すべて 雑誌論文 (2件) 備考 (1件)
『社会情報』札幌学院大学社会情報学部紀要 17巻1号
ページ: 17-33
ページ: 35-46
http://su10.sgu.ac.jp/sord/