研究課題
本課題は、札幌学院大学の「SORDデータアーカイブ」を拠点として、社会学史上大きな意義を有している二つの調査水脈-布施「夕張調査」および似田貝グループ諸調査-の整理・管理・公開を軸にして、「社会調査史の博物館」構築を目指すプロジェクトである。 SORDデータアーカイブでは数年かけて、合計して段ボール120箱程度になるオリジナル・データセットと関連資料を受け入れた。本研究期間の前半2年をかけて、ようやく基礎的な収蔵資料リストを作成し、段ボールを開梱して配架する作業に目処がついた。3年目となる今年度は、「夕張調査」に関する徹底的な資料復元作業に重点的に取り組んだ。調査票個票を安全に保存するための電子化(PDF化)に加えて、調査票に記入されているテキストをデータベース化する作業を進行させ、ほぼ完了しつつある。その過程で得たノウハウは、アーカイブズ学会報告や、紀要論文および『理論と方法』投稿論文に報告されている。このような資料復元作業の成果を、本年度末に『夕張調査資料集成[試作版]』としていったん冊子にまとめた。これを、最終年度の1年間でさらに改訂して決定版とする予定である。また、博物館的機能の基礎づけやアーカイブズ学の進展を目指した関係主体との協力関係の構築は続いており、2009年3月には空知地域のアーカイブズ関係者を招いてワークショップを実施した。内部組織としては、大学院生3名からなるチームに上記のような電子化及びデータベース化の作業を中心的に担ってもらった。これは結果として、研究課題の進展のみならず大学院生の育成という観点からも大きな成果を挙げた。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
理論と方法(日本数理社会学会) 45(掲載決定・印刷中)
社会情報(札幌学院大学社会情報学部) 18(2)(印刷中)
社会情報(札幌学院大学社会情報学部) 18(1)
ページ: 85-115
http://su10.sgu.ac.jp/sord/